コラム@ダックス

[0064] 租税訴訟学会の研修会 (2004/12/04)


昨日の夜は、租税訴訟学会が主催した研究発表会を聞きに行きました。

テーマは

「情報公開請求でみる国税不服審判所のあり方」

発表者は税理士の朝倉洋子先生、コメンテイターは中央大学
商学部教授の大淵博義先生です。

日本の税金制度では、税務署長などがした更正処分や
決定処分などに対して異議のある納税者が、その処分に
対して不服がある場合には、裁判所に訴訟を提起する
前に、必ず税務署長への異議申し立てを行い、その異議
申立処分に対しても不服がある場合には、
国税不服審判所というところに審査請求をした後でないと
訴訟を提起できないという制度になっています。
(青色申告の場合には税務署長への異議申し立てを
 することなく国税不服審判所へ持ち込むことができる
 場合もあります。)

いわゆる、不服申立前置主義とよばれるもので、
司法への救済を求める前に行政機関である審判所で
の救済措置を求めなければならないという制度です。

ある意味、合理的なこの制度ですが、実はこの
国税不服審判所という組織はいろいろ問題がありそうな
制度のようです。

今回の研修では、今まで秘密のベールに包まれた
審判所について、情報公開制度を使った開示請求により
明らかになってきた実態や問題点などが報告されました。

国税不服審判所で行われた裁決(裁判のようなもの)が
基本的に非公開であるため、納税者にとって有用な判断が
審判所でなされても、一般の納税者が知ることないこと、
審判所の人事が基本的には、国税当局との交流人事で
いわゆる「身内が裁く」という批判があるところなど等。

税務署は事業をしている方にはなじみがあるお役所ですが
国税不服審判所は、あまりなじみのないのでは。

興味のある方はホームページをご覧ください。
公開されている裁決事例もあります。


ちなみに、国税不服審判所への審査請求の代理人は、
弁護士だけでなく税理士もなることが出来ます。

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