コラム@ダックス

[0061] 日銀短観に思う (2004/10/03)


10月1日、日銀が9月の企業短期経済観測調査(日銀短観)
を発表しました。

日経新聞の見出しでは、

   「大企業製造業「26」バブル後最高」

という何とも景気のいい見出しが躍っています。

これは、企業の景況感を示す景況判断指数DIが26ということ。

しかし、あまり大きく記載されてはいないが、中小企業、特に
非製造業のDIは−16と、景気が悪いと感じている企業の方が
多い。

中小企業の景況感を知るために、、中小企業基盤整備機構の実施した
第97回中小企業景況調査報告を見てみましょう。
こちらは、平成16年7月―9月期の状況について調査したものです。

http://www.smrj.go.jp/keiei/chosa/keikyo/000263.html

いろいろな指数がありますが、業況水準判断指数である今期の水準DIは
全産業で、−38.6、良いのは製造業でそれでも−27.9、
悪いのは小売業でー48.7です。
大企業製造業が鉄鋼、自動車など際立ってよい業種がある一方で、
中小企業、特に小売業などは大部分の企業は景況感は悪いと感じています。

※DIとは、ディフュージョン・インデックスの略で、質問事項に
対して「増加」・「好転」などと答えた企業の割合から、「減少」・
「悪化」などと答えた企業の割合を差し引いた数値のことです。

中小企業景況調査報告では、各産業別の経営課題をアンケートで
聞いています。

参考までに紹介します。

製造業
  (1位)需要の停滞、(2位)製品・加工単価の低下・上昇難
  (3位)原材料価格の上昇、(4位)製品ニーズの変化への対応
  (5位)生産設備の不足・老朽化
小売業
  (1位)大中型店の進出による競争激化、(2位)需要の停滞
  (3位)購買力の他地域への流出、(4位)消費者ニーズへの対応
  (5位)同業者の進出
サービス業
  (1位)需要の停滞、(2位)利用者ニーズの変化への対応
  (3位)新規参入業者の増加、(4位)利用料金の低下・上昇難
  (5位)大企業の進出による競争の激化

ざっと見てみると、「モノ・サービスが売れない」、「競争が激しい」
といったところでしょうか。
こんな時代でも、売れるものは売れているし、競争に巻き込まれない
商売をしている会社もあります。

泣き言を言わず、中小企業には中小企業のやり方で、差別化し競争に
打ち勝つ、そのために、諦めずに、頭に汗をかいてかんばりたいものです。

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