コラム@ダックス

[0044] 経理のコストについて (2004/06/28)


最近は景気も回復してきて以前ほどリストラやコストカットなどと
いう言葉も切迫感をもって語られなくなってきましたが、中小・零細
企業ではコストダウンの意識は常に持ち続けなければなりませんね。

さて、経理のコストについて考えて見ましょう。

かつて、多くの中小企業で行われていた経理のスタイルに「伝票会計」
と呼ばれていた方法がありました。
これは、請求書や領収書、預金通帳などの原始証憑から、いったん紙の
伝票(「振替伝票」や「入出金伝票」です)に仕訳を書き込み、これを
別の担当者や会計事務所がコンピュータに入力することにより、試算表
などの資料を作成する方法です。
この方法では、原始証憑の整理、伝票の作成、コンピュータへの入力、
チェック、コンピュータからの資料の出力など多くのステップが介在し
お世辞にも効率のいい方法ではありませんでした。
今でもこういうスタイルで伝票を起票し、会計事務所にインプットを
依頼している会社もあります。

現在の小規模企業の経理の主流になっている方法は、原始証憑から
経理ソフトへの直接入力による方法です。
JDL「出納帳」や弥生の「弥生会計」などは直接入力しやすいソフト
で多くの方が、これらのソフトを使って省力化をしています。
小規模企業では、取引の量自体がそれほど多くないため、経理ソフトへの
入力を月末にまとめて行ったとしてもそれほど問題になることもないよう
です。

とまあ、伝票会計から経理ソフトへの直接入力だけでもコストダウンに
なるのですが、伝票会計自体、一般的ではありませんので比較しても
しょうがないですね。

今回私がここで言いたいことは、経理に関するコストには、大きく分けて
2つあるということです。
1つは、「経理作業」に関する作業コスト。
第2に、会計事務所などに支払う顧問契約や専門アドバイスなどの「戦略コスト」。

伝票を起票して会計事務所にこれを入力してもらっていたのを、自社で
直接入力する方法に変えることなどは「経理作業」のコストダウン。
そして、「経理作業」に関するコストは徹底的に削るべきです。

しかし、「戦略コスト」については慎重に考えるべきだと思うのです。
(現在の会計事務所には作業賃だけしか払っていないという場合は
まさに経理作業だけを依頼されているケースです)

会社を経営していると、経理データ入力のパートさんには相談できない
専門的なこと、困ったことが発生します。
こういうときに、信頼できる専門家に相談したり調査を依頼するための
コストが「戦略コスト」です。

アウトソーシングなどを利用される場合でも意識しておくべき部分です。

                               奥野

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